泡沫のユメ

どこからでも読める金太郎飴みたいな短編小説書いていきます

カインとアベル、レビュー

○あらすじ

とある会社員の一員、優(山田涼介)は社長の息子。副社長は何でもこなし、父親から寵愛された兄。家族との三角関係、恋愛の三角関係に悩む優のとる行動は…。

 

○注意事項

・個人の感想です

・6話までのネタバレを含みます

 

 

言わずと知れた月9作品っすね。

 CMでちょいちょい見たとき、まずはじめにドラマのタイトルで、カインとアベル?なんぞや?人名?ってなりました。そんなときはグーグル先生の出番です。3ね~んBぐみ~!!グーグルせんせ~!!

 

というわけで簡単にまとめると、人類最初の人間アダムとイヴの子どもがカイン(兄)とアベル(弟)と言うそうです。カインは作物を育て、アベルは羊を育てました。ある日神へ収穫物を捧げますが、神はアベルのことをベタ褒め、カインのことは無視します。そんなことされたらカインは激怒、怒りのあまりカインぶっころです。神にアベル知らん?って聞かれても知らねっす、って答えたカインが神に愛されるでしょうか?いいえ、そんなことはありません。お前島流しな!です。終わり。チャンチャン。

 

 聖書とか好きな私は迷わず録画してみました。

1話。

 これのどこがカインとアベルなんだい?優等生の兄、兄と比べられ父親に何の期待もされない弟。まるで逆じゃない?優秀な兄が副社長やってる会社で平社員として働く平凡の弟。弟からすればコンプレックスはありそうなものですが、ちょっとピンときません。話の内容も、仕事大変だけど頑張るみたいな弟の奮闘記。どういう話になるんだろうな~まさかずっと弟仕事頑張る→皆に認められる→ヨカッタネ!オチなのか?

というところで兄が失踪する3話ラストからの4話。おおお!なにこれ!兄が失脚してしまうのどうなるの!っていうドキドキの展開に胸が踊ったもんです。特に3話ラスト、不安感を煽るBGMが流れての終幕で、これまで何の気なしに見ていた心がグッと惹きつけられました。しかも4話ラストで隆一が優を殴って、これは…カインとアベルきたのでは…!?って思いましたね!正直いって1話2話を見た段階ではそんな期待してませんでした。展開が予想できない、良い意味で視聴者を裏切るような話が欲しいんです。1話2話はまぁ私がおおっ!てなるところを捉えきれてなかったのかもなんですけど、なんだか仕事を毎回苦戦して頑張って乗り切る、兄へのコンプレックスを持つ弟の話。みたいな感じでずっと話が続くのかと思って、どんでん返しがないのならちょっとな~と思っていたんですが、まさかそんなはずもなく!どんでん返すわけです!ヨッシャ待ってたで!このときをな!!!

からの5話。

絶望的なトラブルを回避した、しかも一人でやってのけたと言っていた隆一でしたが、実はそのトラブルを回避できるよう働きかけたのは優だったわけです。それを知ったときの隆一の更なる絶望たるや。お前は俺が見てやんねーとダメだな、と下に見ていた弟が優秀で完璧だったはずの自分を助けた?

たぶん隆一はそのとき不安だったんだと思うんです。自分は優秀で周りにちやほやされて育ったけど、弟ができるようになってしまうとそのちやほやが自分に向けられなくなる。父親からの愛(もちろん親子愛)が分散されてしまう。それはいやだ。独占したい。だから恋人の梓に結婚式の話をして安定を図る。妻なら無条件で自分のことを愛してくれるから。この不安をすぐにでも拭い去ってほしいから。

しかし無常にもというべきか、優の有能な仕事ぶりが兄弟の父親兼社長の耳に入る。「兄の仕事のトラブルが回避できたが、それはお前がやったのか?」父が聞くと、弟は「今リスクを背負わないと成功しないと思った」と答えた。その言葉は兄弟の祖父であり会社の創始者の言った言葉と同じ。一方の兄は別シーンで、トラブルをどうやって回避したのか聞いたところ「リスクを避けるにはどうしたらいいかと考え行動した」と話す。その違いに父はやっぱ何かを感じたんですかね。あれほど無関心で放置してた優に「今度会食に来い」だの「スーツが派手。買いに行くぞ」って言い出す父の掌クルーぱないっすわ。ツンデレかよ。タチ悪いぞ。

そんで会社の新プロジェクトのリーダーに優が抜擢。納得いかないと引き下がる隆一に却下する社長。ますます不安定になる隆一。だから梓に今すぐにでも結婚してほしいと頼み込む。結婚するから新プロジェクトに参加するのも仕事もやめろ。あのプロジェクトは無理があると思う。優にはリーダーの素質はない。…いや?家庭に入りたくないのか。俺と結婚するのがいやなのか。プロジェクトに参加して優と一緒にいたいというのか。どっちなんだ!って恋人にキツくあたるところがもう心に余裕ないのがわかります。こんなん梓さんが離れていっちゃうに決まってる。隆一が仕事も恋人も失う未来しかみえない。極めつけはエンディングのテーマソング、Give Me Loveって…上手いですよね。

 

主人公が優なのにどうしても隆一目線で見てしまうのなんなんでしょうか!隆一は兄ではあるけど嫌なものは避けるとか梓さんに俺と仕事どっちが大事なの!って聞くとか子どもっぽいところがありますよね。その方がどっちかというと親近感が持てるからですかねえ…。

隆一いいか!目を覚ますんだ!!自分を振り返るんだ!!深呼吸するんだ!!ぜえぜえ!スーハースーハー!色々失ってからその大切さに気付いても遅いみたいなことわざあったじゃんか!伝われ!わかるだろ!?仕事も恋人も家族さえも失ってしまうぞ!おい聞いてるか隆一!りゅういちーッ!!!

 

はい。次回も楽しみっすね!